Stable Diffusionで画像生成を始めたばかりの人が最初につまずきやすいのが「CFGスケール」です。
このパラメータは、AIがどの程度プロンプト(生成指示)に忠実に従うかを決める重要な設定で、結果の品質を大きく左右します。
CFGスケールを理解すれば、思い通りの構図や質感を再現できるようになり、AI生成の世界が一気に広がります。
本記事では、CFGスケールの仕組み、数値ごとの特徴、最適な設定方法、そして初心者がやりがちな失敗とその対策までを、やさしい言葉で徹底的に解説します。
この記事を読めば、「なんとなく設定していたCFGスケール」が、狙って使いこなせる武器に変わります。
CFGスケールとは?Stable Diffusionにおける基本の理解

この章では、Stable DiffusionにおけるCFGスケールの基本を、初心者でもわかるように丁寧に解説します。
「CFGスケールって何?」という疑問を持つ方が、記事を読み終えるころには自分で数値を調整できるようになることを目指します。
まずはStable Diffusionの仕組みを簡単におさらい
Stable Diffusion(ステーブル・ディフュージョン)は、AIがテキストから画像を生成する仕組みを持つモデルです。
一言でいうと「文章を読んで想像し、それを絵にするAI」と考えると分かりやすいでしょう。
このAIは、大量の画像とその説明文を学習することで、「どんな言葉がどんな絵に対応するか」を理解しています。
そして、プロンプト(生成したい画像の説明)を入力すると、それに沿った画像を作り出します。
このとき、どれくらい「プロンプトに忠実に画像を作るか」を調整するのがCFGスケールの役割です。
CFGスケールが果たす役割とは
CFGスケール(Classifier Free Guidance Scale)は、Stable Diffusionにおける重要なパラメータです。
この値が高いほどAIはプロンプトに忠実に画像を生成し、低いほど自由に、つまりより「創造的に」画像を作ります。
CFGスケールは、プロンプトへの忠実度と創造性のバランスを取る鍵と言えます。
| CFGスケールの値 | 画像の特徴 |
|---|---|
| 1〜3 | 自由度が高く、柔らかい印象。プロンプトとの一致度は低め。 |
| 7前後 | 忠実度と画質のバランスが良く、自然で安定した出力が得られる。 |
| 10以上 | 非常にプロンプトに忠実だが、画像の歪みやノイズが増えることもある。 |
数値によって何が変わるのかを理解する
CFGスケールの調整は、画像の完成度に直結します。
たとえば、「猫が帽子をかぶっているイラスト」を生成するとき、CFGが低すぎると猫ではなく犬が出るかもしれません。
逆に高すぎると、帽子が極端に強調されたり、猫の形が崩れることもあります。
CFGを上げすぎるとAIが“無理にプロンプトを再現しようとする”ため、かえって不自然になることがある点に注意が必要です。
つまり、CFGスケールとは「AIの自由度のハンドル」であり、どれだけ指示を厳しく聞かせるかを決めるレバーのようなものです。
最適なCFGスケールを見つけることが、高品質な画像を生み出す第一歩になります。
この章を通して、CFGスケールが単なる数値設定ではなく、画像生成の性格を決める重要な要素であることが理解できたと思います。
CFGスケールの値による違いを具体的に見てみよう

この章では、CFGスケールの数値を変えることでどのように画像が変化するのかを、具体例を交えながら解説します。
CFGの値をただ動かすのではなく、「なぜそうなるのか」を理解しておくことで、狙い通りの出力を得るコツがつかめます。
低いCFG値(1〜3)の特徴とメリット
CFGスケールが1〜3のように低い場合、AIはプロンプトの内容をゆるく解釈します。
そのため、プロンプト通りの画像にはなりにくいものの、自然で柔軟な構図や色合いが得られやすくなります。
たとえば「海辺の夕日」と入力した場合、低いCFGでは空の色が変化したり、雲の形が想像よりドラマチックに表現されることがあります。
創造的でアート寄りの出力を求めるなら、低いCFGは有効です。
| CFG値 | 特徴 | おすすめ用途 |
|---|---|---|
| 1〜2 | 自由度が高く、構図が変わりやすい。 | 抽象画や芸術的な出力を求める場合。 |
| 3 | 自然でやわらかい仕上がり。 | 写真風の背景や柔らかい雰囲気を出したい場合。 |
中程度のCFG値(7前後)が「黄金バランス」と言われる理由
多くのユーザーが「CFG=7前後」を推奨するのは、この値が忠実度と画質の両立点だからです。
プロンプトの内容がしっかり反映されつつ、過度な歪みやノイズも少なく、バランスの良い画像を生成します。
たとえば「眼鏡をかけた白いセーターの少女」というプロンプトなら、7前後で最も自然に近い結果が得られる傾向があります。
CFGを中間値に設定することで、初心者でも安定した結果を得やすいのが特徴です。
この「黄金バランス」は、作品の方向性がまだ定まっていないときや、初めて設定を試すときに特におすすめです。
| CFG値 | 効果 | おすすめケース |
|---|---|---|
| 6〜8 | プロンプトに忠実で、歪みが少ない。 | 一般的なポートレートや風景生成。 |
| 7 | 最も自然で安定したバランス。 | 初心者の標準設定として最適。 |
高いCFG値(10以上)を使う際の注意点
CFGスケールを10以上にすると、AIはプロンプトを極端に忠実に再現しようとします。
一見「精密な結果が出そう」と思えますが、実際にはディテールが破綻したり、色が過飽和になることもあります。
たとえば「細かい背景を含む複雑なシーン」を描かせると、部分的に歪みが生じたり、人物の手や顔の形が崩れる場合があります。
CFG値を上げすぎると、かえってリアルさを損なうことを覚えておきましょう。
| CFG値 | デメリット | 対策 |
|---|---|---|
| 10〜12 | 色が濃くなりすぎる・ノイズが増える。 | 出力画像のコントラストを後処理で調整。 |
| 13以上 | 構図が破綻しやすく、人物の歪みが出る。 | 複雑なプロンプトでは避ける。 |
CFGスケールの値は「大きければ良い」わけではなく、目的に応じた最適値を選ぶことが大切です。
この章では、数値による出力傾向を掴むことができましたね。
次の章では、実際にCFGスケールを調整する手順と、最適な値を見つけるステップを解説します。
CFGスケールの最適な設定を見つけるための実践ステップ
ここでは、実際にCFGスケールを調整しながら最適な設定を見つけるための具体的な方法を紹介します。
理論を知っているだけではなく、手を動かして試すことで、より精度の高い画像生成ができるようになります。
プロンプト入力から調整までの流れ
まずは、プロンプトを入力してCFGスケールを設定する基本的な流れを整理しましょう。
Stable Diffusionを使用する際は、次のような手順で進めるのが一般的です。
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| 1. プロンプトを入力 | 生成したい画像を言葉で説明します。例:「白いドレスを着た女性が夕暮れの公園に立つ」 |
| 2. CFGスケールを設定 | スライダーなどで数値を選択。初回は6〜8あたりが無難です。 |
| 3. 画像を生成 | 生成結果を確認し、期待と違う場合はCFG値を上げ下げします。 |
このプロセスを繰り返すことで、プロンプトの解釈傾向や、モデルごとの違いを体感的に理解できるようになります。
最適なCFGスケールを見つけるための比較方法
CFGスケールの最適値は、単発の試行では判断しづらいものです。
最も効果的なのは、複数の値で同じプロンプトを生成し、結果を横並びで比較する方法です。
たとえば、CFG=4、7、10で同一プロンプトを生成して見比べると、画質や忠実度の違いが一目で分かります。
画像を並べて比較することで、自分の好みの「自然さと忠実さのバランス」を明確にできるのです。
| CFG値 | 見られる傾向 | おすすめの確認ポイント |
|---|---|---|
| 4 | 構図が柔軟で自然。プロンプトの反映は弱め。 | 背景や全体の雰囲気。 |
| 7 | 忠実度と画質が両立。一般的な最適値。 | 人物や主要オブジェクトの形状。 |
| 10 | ディテールは強調されるが、形が崩れることも。 | 部分的なノイズや不自然さ。 |
このように、比較を通して「自分の目的に合ったCFGスケール」を見つけることが、理想的な結果への近道です。
プロジェクトやLoRAによって変わる最適値の考え方
実は、CFGスケールの最適値は一律ではありません。
使用するモデル(checkpoint)やLoRA(特定のスタイルやキャラを反映させる補助モデル)によって、最適なCFG値は大きく変わります。
たとえば、LoRAを多く組み合わせたプロンプトでは、CFG値を高くしすぎると出力が不安定になりがちです。
LoRAや複雑な構成では、CFGを6〜9程度に抑えると安定する傾向があります。
| 条件 | おすすめCFG範囲 | 理由 |
|---|---|---|
| 標準モデルのみ | 7〜10 | 基本的な安定性と忠実度の両立。 |
| LoRAを1つ使用 | 6〜8 | スタイル反映を優先しつつ安定性を確保。 |
| 複数LoRAや複雑なプロンプト | 5〜7 | 過剰反応を防ぎ、破綻を回避。 |
重要なのは、「CFGスケールを固定しない」という考え方です。
プロジェクトの目的や構成に合わせて、柔軟に調整することで、より自然で完成度の高い画像を生成できます。
次の章では、初心者がやりがちなCFGスケール設定の失敗と、その防ぎ方を紹介します。
初心者がやりがちなCFGスケールの失敗と対策
この章では、Stable Diffusion初心者がCFGスケールを使う際によく陥る失敗パターンと、その対策方法を紹介します。
少しの工夫で結果が劇的に変わるので、同じミスを繰り返さないためにもチェックしておきましょう。
CFGを上げすぎて画像が崩れるケース
初心者の多くがやりがちな失敗の一つが、「CFGを高くすれば高品質な画像が出る」と勘違いしてしまうことです。
確かに数値を上げるとプロンプトへの忠実度は上がりますが、同時にAIが無理やり要素を詰め込もうとするため、構図や形が不自然になりやすくなります。
たとえば「夜の街で傘をさす女性」というプロンプトをCFG=13で生成すると、光の反射が異常に強くなったり、人物の手や顔が歪むことがあります。
CFGを上げすぎると、忠実さと引き換えに“破綻”が生じる点は覚えておきましょう。
| CFG値 | 現象 | 対策 |
|---|---|---|
| 10〜12 | ノイズや過飽和が発生。 | CFGを8〜9程度に下げてバランスを取る。 |
| 13以上 | 構図の破綻や手の崩れが発生。 | プロンプトを簡略化して再生成。 |
もし高いCFGでも理想的な結果が出ない場合は、値を下げてみることが最善の解決策になります。
CFGを下げすぎてプロンプトが反映されないケース
逆にCFGを低く設定しすぎると、今度はAIが自由に解釈しすぎて、プロンプトの内容がぼやけてしまいます。
たとえば「赤い服を着た少年」と入力しても、CFGが1〜2だと全く違う服や背景になることがあります。
低すぎるCFGは“創造的すぎてプロンプトが伝わらない”という問題を引き起こします。
| CFG値 | 症状 | 対策 |
|---|---|---|
| 1〜3 | プロンプトが反映されにくく、曖昧な出力。 | CFGを5〜7に上げて忠実度を上げる。 |
| 4 | 構図は自然だが、内容が薄い。 | キーワードを強調して再生成。 |
このようなケースでは、CFG値を中間の範囲(6〜8)に調整することで、自然さと忠実度のバランスが取れるようになります。
適正バランスを維持するためのコツ
CFGスケールの理想的な設定は、「プロンプトをどれだけ明確に伝えたいか」によって決まります。
以下のコツを意識すると、どんな状況でも安定した結果を得やすくなります。
- 最初はCFG=7を基準にする:どんなテーマでも安定しやすい中間値です。
- 生成結果が曖昧なら少し上げる:プロンプトの反映を強めたいときに有効。
- 画像が崩れるなら下げる:AIの自由度を高め、破綻を防げます。
また、LoRAや複数のエフェクトを使う場合は、CFGを下げたほうが安定しやすい傾向があります。
どんなCFG設定でも、最終的には「出力画像を比較しながら微調整」することが大切です。
CFGスケールは固定値ではなく、“作品に合わせて変える”柔軟なパラメータとして扱うのが上達への近道です。
次の章では、ここまでの内容を整理しながら、CFGスケールの理解を深めるまとめを行います。
まとめ:CFGスケールを理解してStable Diffusionを使いこなそう
ここまで、CFGスケールの基本から実践的な設定方法、そして失敗例とその対策までを解説してきました。
最後に、この記事のポイントを整理し、Stable Diffusionをより効果的に使うための心構えをまとめます。
CFGスケールの基本をおさらい
CFGスケールとは、AIがどれだけプロンプトに忠実に従うかを決めるパラメータです。
数値が低ければ自由度が高く、数値が高ければ忠実度が上がるという性質を持っています。
しかし、そのどちらも極端にすると画質や構図に悪影響が出るため、CFGスケールは「調整して使う」ことが前提です。
| CFGスケールの範囲 | 特徴 | おすすめ用途 |
|---|---|---|
| 1〜3 | 創造的で自由。プロンプトの反映は弱め。 | アート的な出力や背景の生成。 |
| 6〜8 | 忠実度と自然さのバランスが良い。 | 初心者が扱いやすく、汎用性が高い。 |
| 10以上 | プロンプトに非常に忠実だが、崩れのリスクあり。 | 細部の指示を厳密に再現したい場合。 |
特にCFG=7前後は、多くの生成条件で安定した結果を出しやすく、初心者にとっての出発点として最適です。
理想の画像を生み出すための心構え
CFGスケールの調整は、単なる数値設定ではなく「作品づくりの感覚」に近いものです。
数値を上げたり下げたりしながら、AIとの対話を繰り返すことで、自分の理想に近い表現を導き出すことができます。
CFGスケールは“正解を探すもの”ではなく、“自分の表現を磨くための道具”です。
また、モデルやLoRAの組み合わせによって最適値は変わるため、常に試行と観察を繰り返す姿勢が大切です。
- まずはCFG=7で試し、基準を作る。
- 生成結果が弱いならCFGを少し上げる。
- 画像が崩れたらCFGを下げて調整。
このように段階的に試すことで、自分にとっての「ちょうどいいCFGスケール」が見つかります。
CFGスケールを理解することは、Stable Diffusionを自在に操る第一歩です。
この記事を参考に、あなた自身の理想の画像生成スタイルを見つけていきましょう。

